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シンガポール、ミャンマー、タイ歴訪

シンガポール、ミャンマー、タイの歴訪から帰国しました。
特にミャンマーのティンセイン大統領との会談は知事としては異例のことでしたが、
翌日の現地新聞の一面トップにカラー写真入りで大きく報道されました。

45分に及ぶやりとりの中で、大統領が私に問いかけてきた質問には驚きました。
「あなたは長年、キャスターとして活躍されてきたそうですが、どうやってメディアと向き合っていけばいいか、ご教示いだけますか?」

ちょうど、その日の現地新聞の一面トップに大きな写真入りで、
現政権を激しく攻撃するアウンサン・スーチー氏の記事が掲載されていました。私はそのことに触れながら、
「私もかつてはジャーナリストとして政権批判をする立場でしたが、今は立場が変わりました。
メディアの報道に対して、いらだちを覚えることもありますから、お気持ちはわかります。
しかし、決して、だからといって、メディア規制はするべきじゃありません。
そんなことをすれば世界はミャンマーの民主化は逆行し始めたと判断します。どんなに腹立たしくても耐えて下さい」…

大統領は静かに耳を傾けながら、「私もそれはわかります」と答えました。
私はその後、「でもね、今のミャンマーは日本とは違うんです」という言葉が続くかもしれない、
もしかしたら、怒ってその場を立ち去ってしまうかもしれないと思いました。
緊迫した瞬間でした。しかし、大統領は最後に「12月、東京に行くからその時、また会いましょう」と言ってくれました。

その度量の大きさに私は感嘆しました。彼こそ、ミャンマーの歴史に名を残す大人物だと実感した次第でした。

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