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「百歳時代 未病のすすめ」が中国語版として出版されました

私が4年前の6月に出版した「百歳時代 未病のすすめ」が中国語版として出版されました。2年前に神奈川県と姉妹提携を結んでいる遼寧省を訪問した際に行なった講演がきっかけとなりました。前書きは遼寧省の当時の担当者が書いたものですが、なぜ彼が中国語版を出したいと思ったのかがよく分かります。

 

まえがき

 執筆時点で、世界各国で新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、感染者は世界で累計700万人を超えた。

 中国国内の感染症対策は大きな成果を上げているが、この突如として流行した感染症に対して、自分自身の免疫力を高めて、生活習慣を改善すべきと考え、「上医治未病」(上医はいまだ病まざるものの病を治す)など関連の漢方医学の概念が改めて人々の注目を集めている。

 この著書を拝見する前に、中国の漢方医学の哲学「未病」が、ある日本の政治家から国際的なステージで提唱されるとは思わなかった。「未病」という言葉が最初に使われたのは、中国最古の医学書『黄帝内経』中の「素問・四気調神大論」の、「聖人は既病を治すのではなく、未病を治す」という記述であり、つまり病気になる前に防ぐことを意味するが、その本質は、「自然の要素を生かして、精神と身体の陰陽バランスの調和と維持が大きく乱れる前、つまり未病の段階で手を打つことが重要」ということである。「未病」の概念は我が国の漢方医学の哲学的基盤を確立し、数千年もの間、中国人の健康管理方法の形成と発展に大きく影響した。

 しかし、科学技術の発展とグローバル化・高度情報化などに伴い、西洋医学の人々への影響は大きくなってきている。今では「胃病(Wèi bìng)」が分かるが「未病(Wèi bìng)」がわかる人はなかなかいないというのが現状である。

 このように伝統的な漢方医学が徐々に無関心になってきている中、本書の作者-黒岩 祐治神奈川県知事は、未病の概念を現代人の生活環境と最新技術に結び付けて、「未病」に新たな価値を与えた。そして、アメリカ、シンガポール、ベトナムなど多くの国や地域で推進している。

 神奈川県はすでに1983年に遼寧省と友好提携を締結しており、産業力が充実していることから、遼寧省とは経済、文化、スポーツ等様々な分野で良い協力関係を築いている。多くの人が知っているように、日本は平均寿命が最長寿の国であり、黒岩祐治氏は2011年神奈川県知事就任以来、県内で「治未病(未病を治す)」という概念を推進してきた。彼は現代の医学技術と「未病」の概念を結び付ければ、「百歳時代」は夢じゃないと信じ、この考えに基づく施策により確実に神奈川県民へ実益をもたらし、神奈川県は平均寿命が最長寿の地域となった。

 私が知っている限り、黒岩祐治氏は多彩な才能の持ち主である。彼はかつてキャスターを務めており、『FNNスーパータイム』では、自身が企画した『救急医療にメス』「感動の看護婦最前線」の放送は、日本社会において大きな反響を呼んだ。

 彼は教育家で国際医療福祉大学大学院と早稲田大学公共経営研究科教授に着任し、教え子が全国至るところにいる。

 また、彼は一番の孝行息子でもあり、西洋医学によって、父親ががんと診断され、余命2か月と宣告された際に、この運命を受け入れず、国内外の名医を訪ね、最終的には漢方医学における「未病」の概念で父親の病魔を克服した。これは黒岩祐治氏が「未病」を認識し、研究し、未病を推進することになった原点である。

 他山の石以て玉を攻むべし(よその山から出た粗悪な石でも、それを砥石に利用すれば自分の玉を磨くのに役立つ)。 「未病」の概念は、黒岩祐治氏の推進の下、この時代特有の輝きを放っている。

 「未病を治し、百歳人生を知る」。各読者が、本書を読んで改めて「未病」の概念を認識するとともに、自分自身の健康管理の強化につなげ、伝統文化を継承して既存のヘルスケアの概念と現代の産業技術を結び付け、新たな分野が推進されているということを共感できることを期待している。

 また、国内の医療衛生企業関係者が遼寧省と神奈川県の交流の場を積極的に利用し、日本の公衆衛生分野との協力関係を深め、新たな成果を創出し、「百歳人生」へ近づくことができるような貢献を望んでいる。

遼寧省人民政府外事弁公室

主任 応 中元

 

 

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