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救急救命士にようやく光があたるきっかけ

「救急救命士をワクチンの打ち手に」というのは、私が以前から提案してきたこと。救急救命士は点滴注射が許されていますから、講習をしっかり受ければワクチン接種は可能だろうと考えたからです。

 

 

 

しかし、いくつかの番組ではお話ししましたが、国が絶対に認めないだろうと思い、具体の働きかけはしていませんでした。ところが、今日、菅総理が言及され、ビックリしました。

 

 

 

「救急救命士は忙しいだろう」と心配する向きもありますが、救急救命士制度ができる時の経緯が影響し、資格は持っていても消防職員になっていない人はその資格を活かせないという限界を抱え続けていました。ですから、実務についていない救急救命士はたくさんいるのです。

 

 

 

消防は自治省(今の総務省)消防庁、医療は厚生省(今の厚生労働省)というまさに縦割りの中で、プレホスピタルケア(病院到着前医療)が空白という状況が続きました。それを乗り越えてできたのが、救急救命士でしたが、最後に妥協が行なわれました。つまり、医療関連の国家資格にすることから管轄は厚生省になり、消防の内部資格を目指した消防庁の思惑は封じられたのでした。

 

 

 

その後、民間の専門学校や大学で、たくさんの救急救命士コースができて、国家資格は取れるようになりました。しかし、彼らの働く場は消防に限られたままだったのです。それゆえ、資格を活かして働けない救急救命士は毎年生まれ続け、今も数万人も存在するのです。

 

 

 

救急救命士誕生に深くかかわった私はこの問題をなんとかすべく、これまでさまざまに闘ってきました。知事になってからは、県庁職員に救急救命士の特別採用枠も設けました。これは全国の自治体で神奈川県だけだと思います。

 

 

 

今年は制度ができてちょうど30周年。今、ようやく病院内でも働けるように業務範囲の拡大が国会でも議論され、具体化し始めています。今回のワクチン接種に救急救命士が打ち手として認められたら、厚労大臣が資格を認定しているにも関わらず、医療の世界からは疎んじられて続けてきた救急救命士にようやく光があたるきっかけになるのではないでしょうか。

 

 

 

救急救命士もワクチン「打ち手」に、首相「数万人を確保し派遣」

https://www.yomiuri.co.jp/politics/20210524-OYT1T50170/

 

 

 

 

 

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