宝田明さんの突然の訃報に大ショック。私がプロデューサーを務めたミュージカル「葉っぱのフレディ」「マリアと緑のプリンセス」でずっとご一緒させていただき、日野原重明先生とご一緒にニューヨーク公演にも行きました。

日本のミュージカルの歴史は宝田さん抜きには語れません。私の一押しミュージカルはロングランのギネス記録「ファンタステック」。これこそ宝田さん自らが日本公演の制作・演出・主演まで務められた代表作。NYでも一緒に観に行き、終演後、スタッフ・キャストと交流したのは格別の思い出です。

最近は「宝田明物語」という音楽劇を上演されていました。満州で終戦を迎え、想像を絶する苦難を乗り越え、帰国し、映画スターになっていったご自分の数奇な半生を当時の流行歌とともに描いていく朗読音楽劇。ご自分がロシア兵に狙撃され、弾を麻酔なしに取り出すシーンは、何度聞いても胸が痛みました。

今、ロシアのウクライナ侵攻を強く憂いておられたとのこと。長く患うこともなく、突然に亡くなったしまったとのことですが、きっと今回の件で新たな創作意欲がわいていたに違いないと思うと残念でなりません。ご冥福を心からお祈りいたします。